仕事振り返りシリーズの第3弾。
正社員になるのが怖くて公共団体の仕事を辞めてしまいました。
広報誌の担当をしていたこともあり、
印刷物のデザインに興味を持っていた私は印刷会社に内定をもらうことが出来ました。
一念発起してデザイナーに転職
デザイン経験はなかった
子供の頃は絵を描くのが好きだったし、高校時代も美術部に入っていたけど、
その程度で、しかも、どちらかというと下手な部類。
大学に進んでからはすっかり絵を描くことから離れてしまっていたけど、
大学のサークルでパンフレットやフライヤーを作るメンバーの一員をしていたことはあった。
その時はメンバーたちが手描きのラフ案を持ち寄って、
デザインソフトを使える人が形にしてくれていた。
振り返れば、大学の時からデザインソフトを自由に扱える人に憧れを抱いていたな。
それから8~9年経って、広報誌の仕事でそのデザインソフトを使う機会があって、
参考書見ながらいじってたけど結局そんなに使いこなせなかった。
印刷会社の面接では、下手なりの作品を持っていき、
デザインの知識もスキルもないんですが・・・、という話を正直にして。
それでも、私の挑戦したいという気持ちを汲んでくれ、
未経験ながら採用していただけることになったのでした。
デザイナーは甘い世界じゃなかった
はじめは簡単な名刺を作成したり、
画像加工ソフトを使って写真の明るさを変えたり、切り抜いたりといった補助的な作業。
次第にチラシやパンフレット、商品パッケージといった仕事も任されていきます。
自分が考えたものが形になっていくのは嬉しかった。
でも、私は昔っから何かアイデアを出すのが人一倍時間のかかるタイプで、
デザインを考え出すのがかなり遅かったのです・・・。
何も思いつかないのに時間だけが過ぎていくという状態。
デザインの作業が次第に苦しくなっていきました。
それでも面倒を見てくれていた先輩は、
「十分やってくれているし、そのペースで頑張っていってよ。
1年かけて出来るようになってくれればそれでいいから」
と言ってくれてたので、どこか安心してしまっていました。
今は苦しいけどもうちょっと経験を積めばスピードも上がるはず。
目の前の仕事を一つ一つ着実にこなしていこう。
そう思っていました。
事件はある日、突然に・・・
入社して丸5ヵ月を迎えようとしていたある日、事件は起こります。
それまで優しかった社長の態度が豹変しました。
『入って4か月も経つのにまだこんなことも分らんの?こんなに時間かかってたら困る』
『あなたに毎月お給料を払うために会社も売上を上げていかないといけないのに、
あなたの分を他の社員が仕事して補填していかないといけなくなる。
今のままじゃ会社として具合が悪い』
『「働く」は「傍(はた)」を「楽(らく)」にするということ。
自分が楽するということじゃないよ』
『時間つぶしに会社に来られても困るよ』
大きくため息をつきながら、私へのダメ出しの嵐が吹き荒れました。
経営する立場からしたら、パフォーマンスの悪い社員がいるのは困るのは分かります。
社員数も少ないから、悠長に成長を待っている時間がないことも。
私の努力が足りなかったことも否めません。
社長には私にやる気がないように見えたようです。
でも、でも、他の社員がいる前で言わなくってもいいんじゃないかな・・・。
私の姿を見る度に文句と嫌みを言われ、
たった2日続いただけでしたが、私には耐えられませんでした・・・。
嵐が始まって3日目に社長に伝えました。
『私がいると迷惑をかけるので辞めたいと思います』
その1週間後、私は印刷会社を退職しました。