イラストやデザインで仕事をしていくなら、値段は自分で設定しなければなりません。
自信がないゆえに低価格にしてしまい苦しんだ失敗談、そこからの学び、私が参考になった価格設定の考え方などをお話しします。
こんにちは、りんごです。
こちらの記事は、絵が下手・自信もないけど、イラストを仕事にしたい30代女の実践記の 第6話です。
現在、インターネットでお仕事をするため、ビジネスを勉強中。
日々の学びや気づきを綴りながら、イラストで収入を得るまでの道のりを記録していきます。
第5話はこちら ↓
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自信がないと、自分の価値を安く見積もってしまいます
私は友人Aさんの紹介で、カフェのメニューブックを作るお仕事を請け負ったことがあるのですが、これがちょっと苦い経験だったのです・・・。
自信がないばかりに、価格を低くしすぎて、イライラ&泣きそうになった思い出です。
依頼の内容はこうです。
- 現在使用しているメニュー表(WORD作成したもの)をリニューアルしたい
- 写真付きでメニュー紹介をしたい
- スクラップブックを既に6冊購入してしまったので、できればそれを使いたい
- 水に濡れても大丈夫なようにしたい
話し合いの結果、PCで作成した素材を印刷・ラミネート加工し、スクラップブックに貼り付けることになりました。
はじめは私はデザインだけを請け負って、ラミネートと素材の切り貼りの作業はカフェのオーナー本人が行うという話でした。
しかし、途中で切り貼り作業も込みで全部お願いしたいと言われ、承諾したのですが・・・
「いくらならやってもらえます??」
「あまりにも高いならもう自分でやるし」
と値段交渉の話になりました。
私の悪い癖ですが、対面で話していると、「即答しなければ!」とめちゃくちゃ焦ってしまい、冷静な判断ができなくなります・・・。
しかも、オーナーさんは60代の女の方でちょっと押しが強めタイプ。
打ち合わせの場でもよく「あんまりお金ない」って言ってるから、そんなにもらえないし・・・。
それに値段交渉の話になる直前に、こんな話をしていました。
仕事を仲介してくれた友人Aさんが、カフェのホームページ作成を別の方(男性・Bさん)に依頼していたのですが、
オーナーが「Bさんはタダで作ってくれたの! ありがたいわ~!!」って言ってたんですよ・・・。
なんだかすごく圧をかけられた気がしました・・・。
そして、私だけがお金をもらうのは悪いような気もしてきて・・・。
「千円でやります・・・」そう、言ってしまいました。泣
今思っても何故に千円と言ってしまったのか。
ラミネートして、切り貼りするくらい誰でも出来る簡単な作業だから、お金をもらっちゃいけないと思ってしまったんですね。
ちなみに20ページのメニューブック×6冊作っての千円です。デザイン料と材料費は別です。
言った後で「あぁ言っちゃった・・・」と思ったのですが、一度言ってしまった以上取り消せないので、千円でやるしかありません。
数回の打ち合わせの後に、デザイン作業に着手。
デザイン校正をプリントアウトしてお渡しして、確認をお願いしました。
その後1ヵ月音沙汰がなく・・・。
ようやく修正の依頼が来たのですが、ちょうどプライベートで忙しい時期で修正作業が出来ずに10日経ってしまいました。
今まで納期の話もなかったし、1ヵ月放置されてたくらいなので、そんなに急ぐものでもないと思い込んでいたんです。
するとオーナーから「いつ頃できますか?なるべく早くお願いします」とLINEが・・・。
今月中には欲しいとのことだったのですが、あと10日しかない・・・!
ずっと放置してたのにいきなり納期指定と催促してきたことに私は若干イラっとしながらも修正し、校了連絡をもらって、制作に着手しました。
デザインした素材をA4になるべく多く収まるように配置し印刷。
それをラミネートして、ハサミで切って、両面テープで貼り付けて・・・。
これが意外と時間かかってしまって。
ハサミで切るのなんか、地味に細かいし!
会社が終わってから、夜な夜なスクラップブックにひたすら切り貼り・・・。
しかも、時間もない。
もうね、なんか嫌になってきまして。
作業すること自体は好きなんだけど、オーナーの態度もイラっと来ちゃったし、何よりこんだけ頑張っても千円・・・!
焦りと苛立ちとむなしさと後悔とで、泣きそうでした。涙
仕事を頂けるのはすごくありがたかったけど、そこまで好きでもない人のためにほぼボランティアなことをしてる・・・。
無事に期日までに納品は出来たし、出来上がりのものを喜んでくれたので良かったのですが・・・。
納期の確認不足も値段の設定も自業自得なのですが、モヤっと感が残ってしまったお仕事でした。
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教訓:価格を低くしすぎると気持ちよく仕事ができない
経験が浅かったり自信がないと、「プロではないし、素人だからそんなにもらえない」と価格を低く設定してしまいます。
価格を低くすることで逃げ道を作っている部分もあります。
万が一満足してもらえなくても、「まぁ安いし仕方ないよね」と思ってもらえるというか。
値段を上げると、その分お客さんの要求も増えそうだし、怖かったんです。
それに「え、そんなにするの?」って思われたら嫌だし、お金にがめついとも思われたくない・・・。
友人の紹介で請け負った仕事だから、サービスしないといけないかも・・・という謎のプレッシャーがあったり。
自己肯定感が低く、自分には価値がないという潜在意識があると、値段も低く設定してしまうんだな・・・と身に沁みました。
独立するにせよ、副業するにせよ、お金をいただくためには「自分(の仕事)には価値がある」と思えないと、いつまでも低い単価で仕事を受けることになるので苦しいですよね。
デザインやイラストの仕事の相場を調べてみても、ピンからキリまでで値段の設定は本当に難しい。
駆け出しのうちは、経験を積むために低価格で、もしくはタダでやらせてもらう・・・そんな風潮があるように思います。
場数を踏むためには大事なことかもしれないのですが、今回の私みたいにあまりにも値段を低くしてしまうと、自己犠牲しているような気分になって、気持ちよくお仕事ができません・・・。
スクラップブックの切り貼りは誰でもできる作業かもしれないけど、オーナーは自分でやるのが面倒だから私に委託した訳です。
面倒なことを代わりにやってあげることも、立派なお仕事だったんですよね。
今回、私がメニューブック制作で頂いたお金って、デザイン料と制作費合わせて6千円だったのですが、下調べ、アイデア捻出に費やした時間、作業量を鑑みるとプラス1万円はもらいたかった、というのが正直なところ。
相応の見返りが欲しいと思ってしまうのは私が欲深いからだろうか?
価格設定の考え方。自信がないからこそあえて上乗せする!
価格の設定について、既に独立して仕事をしている方にお話を伺うと、
- せめてこれくらいはもらいたい、という金額を考える
- その金額にちょっとだけ上乗せし、背伸びするくらいの気持ちで思い切って挑戦してみる
と良いとのことでした。
この話にはなるほど、と思いまして。
ちょっと背伸びする分「こんなにもらっても大丈夫かな?」とドキドキはするのですが、だからこそ気も引き締まります。
「お客様に絶対損はさせないぞ!」という気持ちになるというか。
自然と付加価値をつけてあげたくなるというか。
いくらで請け負うかによって、気持ちよく仕事ができるかどうかは全然変わってくると思います。
もちろん、メニューブックも安いからと言って手を抜いた訳ではないし、一生懸命ベストは尽くしたのですが。
自信がないと低価格に設定してしまいがちだけども、低くすればするほど、自分で自分の価値も下げていくような・・・そんな気分になる。
少しだけ背伸びした価格設定にすることは、本当に勇気がいることだなと思う。
自分にはそれだけの価値がないと思っているのに、値段を上げることに対して、心の抵抗や反発が生まれるというか。
でも、背伸びして挑戦して、一生懸命やった仕事をお客様が喜んでくれたら、初めて自分の価値を信じてあげられるような・・・そんな気がしています。
いま現在、知り合い経由でデザインの仕事の話が来ていまして、そんな感じで私も挑戦していこうと思います。
後日談
友人Aさんも後日カフェに行って完成品を見てくれて、すごく褒めてくれました。
「他のお客さんがメニューを手に取って『かわいい』って言ってたよ」という話も聞いて苦労が報われたように思いました。
それで、値段の設定を低くしてしまいモヤっとしたことも相談しました。
Aさんは「クオリティも高いし、もっとお金もらってよかったと思うよ。途中で割に合わないってなっても、値段交渉してもよかったと思う」と。
ああ、そうか。
値段を一度言ったら取り消せない気がしていたけど、後から相談してもよかったのか・・・。
「でも、Bさんは無料でホームページ作ってくれたみたいだから、私だけお金をもらうのは悪い気がして・・・」と言うと、
実はBさんはお金はもらってないけど、カフェで何回もご飯をごちそうになっていて現物支給だったそうで・・・
な、なんだと~!(;´Д`)
値段設定のこと、始めからAさんに相談しとけばよかった、と猛烈に後悔しました。
とりあえず、値段交渉されたら、その場では答えずに時間をもらうこと、納期は絶対確認すること。
これ大事。苦笑
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