私は仕事が遅いのがコンプレックスです。
だけど、仕事が遅いのもネガティブなものだけじゃなかった・・・そんな気づきの記事を以前書きました。
「なぜ自分は仕事が遅いのか?(仕事を丁寧にするのか?)」を掘り下げてみることで、「相手のために・・・」という想いがあることに気づいたんですね。
それまでは「丁寧だね」と褒められても、「それが何になるの?」「丁寧でも遅いんだから意味ないよ」と素直に受け取ることができませんでした。
だけど深掘りすることで「仕事が遅いのは完全悪」という思い込みが少しほぐれたよという内容の記事でした。
そして今日の記事は、あえて「仕事が遅い」を選んだらどうなったか・・・な体験談です。
WEB制作会社でのお話
本題に入る前に、まず背景を。
これは前職(通算6社目)の会社に転職したばかりの頃のお話です。
その前の5社目の職場はすごく働きやすかったのもあって、仕事が遅いと言われることはなく、むしろ「もうやってくれたの?」という感じで喜んでもらえていました。
ここでは心穏やかに働けてたんですよね。
転職先はWEBサイトの制作会社。
その前の5社目は自社のサイトを更新するお仕事だったので、ステップアップしようと制作会社を選んだんです。
当然クライアントがいて納期もタイト、デザインのクオリティも求められる。
社内にはデザイナーさんが複数人いて、数人のディレクターさんが作業を分配します。
そして、スケジュール表の開いているところに作業を入れてくれるんですね。
10:00~12:00 バナー作成
13:00~17:00 メルマガ作成
17:00~19:00 コラム更新
こんな感じで、時間が決められています。
制作会社なのでしっかりと工数管理されてて、時間への意識が全然違いました。
入社早々、事件が・・・
入社して10日目くらいの出来事です。
決められた時間内に仕事を終わらせることができず、残業になってしまう日が続いていました・・・。
その日も当日中に終わりそうになくて、ディレクターさんに「残業するので朝一の提出でもいいでしょうか?」と相談しました(在宅勤務だったのでチャットで)。
するとお返事が
時間内に業務が終わるように工夫してください。ご自身の評価に関わる点になりますので。
というような内容で・・・。
どうがんばっても終わんない!!!
この日は追い詰められて泣きながら仕事しました・・・(在宅でよかった)。
制作会社ってこんなスピード感でやってるんだ・・・と、「仕事が遅い」という劣等感がさく裂しました。
やっぱり時間内に終わらない!
そんなある日、WEBサイトの公開前チェックの業務をすることになりました。
誤字脱字や表示崩れがないかを見てほしいということでした(また別のディレクターさんからの依頼)。
「よし、やるぞ!」と意気込んでいたのですが・・・いざチェックを始めると誤字脱字だけでなく、あれもこれも気になって全然進みません!!
- ここの文章分かりにくいな・・・
- ここに不要な半角スペースがある。あ、ここも!
- この文章は「。」があるのに、あっちの文章は「。」がなくて、統一されていないな
- 改行の位置がおかしい・・・
見つけようと思って見つけている訳じゃないけど、どんどん見つかっていってしまうのです。
このまま全部リストアップしていたら、決められた時間内には到底終わらない。
ここまで細かく見る必要はないのでは・・・
致命的な誤りという訳ではないから、伝えるほどでもないんじゃないか?
心が揺らぎます。
途中で自分が嫌になってきました・・・。
しかし、ふと「そうだ、丁寧に細かいところまで見られるのが私のいいところじゃないか・・・」と思ったのです。
スピードよりも「丁寧」を選んでみた
転職してから、私はやっぱり役立たずなんだ・・・と思っていました。
スピードの部分はどう頑張っても限界があるし、WEB制作のスキルはベテランの社員さんに比べるとどうしても劣る。
それならば、今の私にできることは丁寧さを活かすことだ。
今までの私だったら「時間がない!」と焦ってチェックの精度が低くなっていたと思います。
そして、やっぱり後から気になってもう一度戻り、二度手間でタイムアップ・・・となったり。
時間内に終わったとしても「雑な仕事をしてしまった」というような感覚が残ったり。
でも、本音としては、焦って手を抜くように仕事をするよりも、丁寧に細部まで見たい。
せっかく気が付いたところは伝えてあげたいし、その方がWEBサイトのクオリティも上がる。
今こそお役に立てるときなのではないか??
「仕事が遅い」という劣等感と向き合ってきた私は、今までと違うこと・・・「丁寧に仕事をする」ということを、選んでみることにしたのです。
そうして時間を気にせず自分の納得いくまでチェックし、「ここの表現が気になりました」とか、「ここの文章が分かりにくいので、こう直すといいかもしれません」というのをまとめてディレクターさんに渡しました。
結局、時間内にすべてのページは見終わらなくて、出来たところまで提出する形になりました。
やっぱり罪悪感はあったのですが、翌日ディレクターさんより
「制作側じゃ気づかないところまで見てくれて、すごく助かりました!!」
とチャットが。
「仕事が丁寧」を喜んでもらえた
その後、他のディレクターさんからもチェックをお願いしたいと言われることが多くなりました。
と言ってもらえたり。
ミーティングで課長さんが
とみんなの前で言ってくれたりしました。
時間は守れていないので、「仕事が遅い」ことに変わりはないのです。
だけど、「丁寧さ」にフォーカスした仕事をしようと意識を変えたことで、喜んでいただけた・・・というのは、大きな自信になりました。
しかし、さらなる大事件・・・
「私はこれでいいんだ!」そんな風に感じていた矢先の出来事です。
部長さんとの面談があり、翌月末で契約終了し、更新は行わないとの意向を伝えられました。
いわゆる派遣切りです。
更新しない理由は、部長さんいわく「コーディングが出来る人材が会社で不足しているから強化したい」とのことでした。
このときは、ただ「そうか・・・力不足だったんだな」と思っただけだったのですが、後から「本当に?」と気になってきて。
それで派遣会社の担当さんに思い切って聞いてみたんです。
「更新されない理由はご存知ですか?」と。
すると返ってきたのは、「スピード感の部分でのご判断のようです」という主旨のメールでした。
なぁんだ、結局スピードか。
せっかく丁寧なところを評価してもらえていたのに・・・。
丁寧を活かす道へ
退職間際、課長さんに「お役に立てず申し訳ございませんでした」と伝えました。
すると、課長さんは「いやいや、そんなことはないですよ」「チェックの精度の高さにはみんな驚いていました」と言ってくれました。
と聞かれたので、
と答えたところ、
そう言ってもらえました。
私はこの一言で、この会社に来られてよかったなと思いました。
いろいろあって、毎日辞めたいと思ってたけど・・・
「丁寧さは魅力」。それを実感として掴むために来たんだなって。
会社の判断では私は要らなかったかもしれないけど、現場の同僚や課長さんは評価してくれていた。
それだけで十分だ・・・。
これからはスピードではなくクオリティで評価してもらえる仕事を探そう。
丁寧さを活かせる働き方を模索していこう。
私はもうスピードの方を磨こうとは思わなくなりました。
どんな自分でいたいかで選んでみる
今までブログでも、「どんな自分も見方を変えると魅力になる」、「自分のままでいいんですよ」という話をしてきたけれど。
転職してから、結局は職場に合わせて「スピードアップしなきゃ」とか「効率よくできるようになろう」とか、そういう方向になってしまっていました。
それで「会社に合わせようとするのを辞める」というのを試してみたんですね。
結果としては「仕事が遅いから派遣切りになった」というのはまぁそうなんですが・・・
でも、それ以上のものを得られたからよかったなぁと思います。
「仕事が遅い」という劣等感がなくなることは、おそらくないと思うんですよね。
だけど、「効率重視で仕事をこなす自分」よりも「丁寧に仕事に取り組める自分」の方が好きだなぁと思うから。
私は「丁寧」という魅力を磨いていきたいと改めて思いました。
丁寧さを活かしたら年収がバーンと上がったとか、そんなシンデレラストーリーをお届けできたらよかったんですけどね!苦笑
でも、これが等身大の私です。
以上、丁寧にフォーカスしたら「仕事が遅い」が喜ばれて魅力に変わったお話でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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